後日談 ～思い出の神樹祭～ - 手遊

想說遲早要打就先打了XD
翻譯還要跟孤狗格鬥一番囧
還沒做好心理準備的老師
或是想直接看書的老師
慎點啊><！






























～思い出の神樹祭～

木の葉に茶色が混ざりつつある季節の、穏やかな午後。
神樹ヶ峰女学園では、職員会議が行われれていた。

樹
そろそろ神樹祭の時期だけど......今年はどうしましょうね

風蘭
神樹祭っていうからには神樹が主役のはずだが、黎明の日に神樹は消えちまったしな


先生
”黎明の日”......か

風蘭
はは、誰が言い出したんだかな。大層な名前の記念日だ

樹
いいじゃない、私は好きよ。当時のことをずっと覚えていられるもの

先生
八雲先生......

樹
もっとも、忘れたくても忘れられないけれどね
----神樹がこの世界から消え、星守が卒業したあの日のことは

先生
......もう、半年以上経つんですね

樹
月日が経つのは、本当に早いものね

風蘭
おっと、過を懐かしむのはそこまでだ
アタシたちが今生きてるのは、あのとき全員が望んで勝ち取った未来----
今は、神樹祭の話が先だろ？

樹
......ええ。そうね

先生
やっぱり、神樹祭は例年通り開催しましょう
たとえ神樹がなくなっても、ここに神樹があったことも、星守が戦っていたことも..
....
忘れてはならない、大切な歴史だと思います

風蘭
アンタ......

先生
ちゃんと継承しないといけません。きっと......
理事長もそう望んでいるはずです

樹・風蘭　
！

樹
......ええ。そうね

＊＊＊

数日後の放課後----

みき
昴ちゃーん、遥香ちゃーんっ！
聞いた聞いたっ！？今年の神樹祭は、学年を飛び越えて好きに集まってお店やってい
いんだって！

遥香
ええ。生徒の自主性を尊重するため、って話みたいね

昴
学年混合っていうのはおもしろそうだね、ってたった今遥香とも話してたんだ

みき
でしょでしょ！？　でね、私考えたの！今回の神樹祭は、元星守クラスのみんなで集
まってなにかやりたいなーって！

昴・遥香
............

みき
あ、あれ？　私、なんか変なこと言った？

昴
変なことっていうか......

遥香
ふふっ
まさに今、私たちが話してたことと同じだったから驚いて

みき
ホントっ！？
同じこと考えてたなんてうれしーな！

昴
アタシも！
そうと決まれば早速みんなに声かけに行こうよ！

みき
うん！　この時間だったら、みんなきっと----

？？？
なになに、どこ行くつもりなの？

みき
の......望先輩と......

昴
みんな！？

花音
もし神樹祭の仲間集めにいくつもりなら、必要ないわよ

詩穂
ふふっ、そうね
だって私たち......みんな同じ気持ちだもの♪

望
これで全員そろったね！
さっそく神樹祭でなにするか、みんなで打ち合わせしよ～！

ミシェル
どこで打ち合わせする～！？

うらら
たしかに、みんな別のクラスだし集まりにくいわよね

くるみ
それなら、いいところがあります

サドネ
いいところ......？

＊＊＊

くるみに連れられて数分。
みんなが立ち止まったその場所は----

みきここって......

カーテンの隙間から溢れた鮮やかな夕日が、持ち主のいなくなった机を柔かく照らす
。
かつて毎日見ていたその場所とは違う、最低限のものが置かれた殺風景な光景に誰も
が息を飲んだ。

サドネ
星守クラスだぁ......！

楓
今は空き教室になってるんですわね
もうてっきり、違うクラスのものになっていると思っていましたわ

ひなた
物はなくなっちゃったけど、ひなたわかるよ！
ほらここ、ひなたの席っ！　ちゃんと”ひなた”って書いてあるでしょ！？

桜
落書きは消すように言われているじゃろう

うらら
でもでも、ホントなつかしーね！
うらら、こうやって後ろ向いてここみとしゃべってたよね！

心美
うんっ！　それで授業中しゃべってたら、明日葉先輩に怒られて----

ゆり
......明日葉先輩か

楓
先輩方が卒業されて、もう半年以上経つんですのね


ゆり
......だが、それを寂しいと感じる期間はもう過ぎた
私たちは私たちの学生生活を謳歌しないとな

望
さっすが、新生徒会長！いいこというじゃん♪

ゆり
茶化している場合じゃないぞ！
望も神樹祭実行委員長として職務をまっとうしろ！

うらら
えっ、のぞみん先輩って神樹祭実行委員長だったの！？

望
そーそー！　おかげさまでねっ！
ちょっと前から”放課後パーティー部”っていうのをやってるんだけど、その仲間た
ちに神樹祭実行委員長もやったほうがいいって言われちゃってさ～

くるみ
委員選挙でも望の得票率、90%だったよね

遥香
まあ......すごいですね

花音
今回の『クラスを飛び越えてお店を作る』っていうのも望の案なのよね

望
前例がないから、ダメって言われるかもって思ってたんだけど、ゆりがそれっぽい言
葉考えてくれたおかげで実現できたんだよね！

桜
生徒の自主性うんぬんというのは、ゆりの考えだったのか

昴
そもそも神樹祭実行委員なんてものがあったことさえ知らなかったよ......

うらら
（委員会か......人気を得るにはいいかもしれないわね。うららの今後のアイドル活
動にも活かせるかも！）

望
ってことで、ここは委員長のこのアタシが仕切らせてもらうから、よろしくねっ！

サドネ
よろしく、デスワ！

遥香
（この感じ......最後の戦いの前のことを思い出すわ）

みき
（......すごく懐かしい）
（まるであのときに戻ったみたい）
（みんなといるのが----すごく楽しい！）

望
じゃー、案があったらじゃんじゃん教えて！
みんなで神樹祭,盛り上げていこー！

＊＊＊

先生
最近、星守クラスのみんなで盛り上がってるみたいだな

再会の集いから数週間後----。
みんなの動きを知った先生は、みきにそう問いかけていた。

先生
神樹祭の出し物を決めてるってミシェルが言ってたけど、今回はなにをするつもりな
んだ？

みき
それは、当日まで秘密ですっ！

先生
え......

みき
って、いけない！　もうこんな時間だ！
今日もこのあとみんなと話し合いがあるので、これで失礼しますっ！

先生
あ、みき......行っちゃった
......僕も、みんなと一緒に神樹祭の出し物、決めたかったな......

＊＊＊

先生
（あれから結局みんなから声掛けもなく、ついに当日を迎えてしまった）
（ちょっと寂しいけど、今日は目一杯神樹祭を楽しもう......）

みき
せんせー！こんなところにいたんですね！

先生
み......みき？　どうしたんだ、そんなに慌てて......

みき
どうしたって、お店ですよお店っ！
当日まで秘密って言ったじゃないですか！

先生
それはそうだけど.....

みき
ってことで、情報解禁で～す！　ついてきてくださーい！

先生
ちょ、ちょっと待ってくれ、みき！？

跳ねるように廊下を進むみきの背中を追って数分後。
たどり着いたその懐かしい場所に、先生は目を見開いた。

先生
ここ、は......
星守クラス----

みき
えへへ、びっくりしましたかっ？　やっぱり私たちといえばこの場所だって思って！


先生
......そうか。みんなで頑張って完成させたんだな

みき
まだ、完成じゃないですよ

先生
え......

みき
だって私たち星守クラスにはーー
先生が必要ですから！

その言葉とともに、みきが教室のドアを開く。
最初に飛び込んできたのは、窓から差し込む日を細めるほどのまばゆい光。
そして、その目が慣れてきたとき、眼前に広がった光景は----

みんな
おかえりなさいませ、先生！

色とりどりのメイド服に身を包んだみんなの笑顔が向けられる。
その服は、かつての神樹祭で着ていた衣装だった。

詩穂
さあ、先生。今日は最初のお客さんですよ

楓
今までのように、ワタクシたちのおもてなしを楽しんでくださいませ！

先生
詩穂、楓......

花音
あら、サドネ！　紅茶をつぐのうまくなったのね

サドネ
えへへ、すごい？　いっぱいトックンしたんだよ！
千導院家のものとして、トーセンです、わ！

うらら
せーんせ♡　かわいいうららのメイド喫茶にようこそ～♡
今回も、先生だけの特別メニュー、用意してるよん♡
上からあ、
”あまあまコーヒー”、
”いちごパフェ”、
”らいおんクッキー”、
”ぶどうのタルト”、
”せんどういんチョコ”、
”せいろんティー”♡　
どれがいいっ？

心美
うららちゃん、ずるいよぉ。私だって......

うらら
んもぉ～！　今はうららの番～っ！

先生
............

キラキラとしたみんなを目の前にして、鼻の奥にツンとしたみを覚える。

ひなた
ふえっ！？　先生、どうしたの、大丈夫！？

ゆり
もしや、目にゴミでも入ったのですか！？

ミシェル
ミミ、ハンカチあるよ！　つかう？

先生
だっ、大丈夫だ。心配かけてごめんな

花音
......はぁ。相変わらず情けないわね
懐かしさに耐えきれず泣いちゃったってわけ？

先生
（......それだけじゃない）
（こうやってまた集まれたことが嬉しいんだ）
（でも......それでもやっぱり状況は変わっている。だって......）
（明日葉たちはもう──）

？？？
大丈夫ですか、先生

先生
え......

うつむいた先生にかけられた声は、聞き覚えのあるもので。
導かれるように顔をあげると、その先にあったのは───

明日葉
ご気分が優れないのなら、少し休まれては？

先生
明日、葉.....？

蓮華
んもー、明日葉ったら、そこは『休むといいニャン』でしょ？
完璧なメイドさんになるためには言葉遣いをちゃんとしなくちゃ！

明日葉
そ、そうだった！　私は何も成長していないな！
先生、もう一度やらせてください。え、ええと......
ご気分が優れないのなら、少し休まれるといい......ニャンっ！

蓮華
いやあ～ん♡　かわいい～っ♡

パシャパシャ！！！　パシャパシャのパシャ！！！

あんこ
......このフラッシュの眩しさも、久しぶりだわ
ま、ワタシもブログのネタになるしいいけど。大学のレポートやってるより楽しいし


先生
ど、どうして......どうして明日葉たちがここにいるんだ！？

望
だって、今回の神樹祭のコンセプトは、『学年を飛び越えて集まってお店やってOK』
でしょ
卒業生を呼んじゃダメなんて、誰も言ってないもん♪

先生
そ、それは......

風蘭
おーおー、随分とにぎやかだな

樹
まあ、本当に明日葉たちまで来てたのね

明日葉
先輩......！

風蘭
大学生にもなってこの格好は、ちとキツいんじゃないか？

蓮華
でも、似合ってません～？　れんげじゃなくて、このふたりが♡

あんこ
名誉のために言うけど、ワタシは無理矢理よ！

茉梨
ふふっ、れんちゃんも含めて、わたしは3人ともかわいいと思うなー

明日葉
ま、業梨先輩！　いらしてたんですか！

茉梨
えへへ。久しぶりの神樹祭だもん！
今日はいっぱい楽しもうって思ってるんだー

ミシェル
それじゃ......これで本当にみんなそろったね！

桜
なんだか、同窓会みたいじゃな

ひなた
じゃーお店再開しよ！　先生たちにもお茶いれるねっ！

昴
待ってひなた！　それは砂糖じゃなくて塩だから！

あんこ
......こっちも相変わらずね

先生
（あれから少し時が経って、変わったものも、変わらないものも多くある。でも）
（僕は星守クラスが大好きだ。その気持ちはずっと変わらないし------変わらなくて
いい）
（......みんなが僕にとって、最高の生徒であることも）

＊＊＊

日が沈み、神樹祭のにぎわいも落ち着いた夜----
校庭の真ん中で燃えさかる大きな炎を囲み、みんなでかつて神樹の存在した場所を見
る。
雄大な大樹の真下にあったラボも、今やカフェテラスに改装され、以前の面影はない
。

望
前から後夜祭はあったけど、今年からこの時間は神樹のことを思い出す時間にしよう
って、提案したんだ
この平和が、誰かが必死で戦ってやっと取り戻せたものだってこと......みんなに忘
れてほしくなかったから
......誰かのために命がけで戦った人がいたってこと、覚えていてほしいから

サドネ
............

楓
ワタクシたちのもたらした希望は、後世の人たちの光の道にもなります
命ある限り、この意志をつないでいく......
それが、星守でなくなったこのワタクシの使命だと思っていますわ

みき
そうだね。私たちは星守じゃなくなったけど、やるべきことは変わらない
この先もずっと、希望をつないでいかなくちゃ
この星のみんなが----大切なひとたちが、笑顔でいられるように

遥香
ええ。そうね

みき
......ミサキちゃんも、元気でやってるかな

昴
あはは、ミサキのことだから、きっと元気だよ
元気に、ストイックに毎日特訓して----
次会うときは、誰だかわかんないくらいムキムキになってるかもね！

ミシェル
そんなミサキせんぱい、ちょっとイヤだなぁ......

みき
あははっ！
......でも、私はどんな姿になってるミサキちゃんでも会いたいな

明日葉
みき......

みき
......みんながこうして揃ってるのに、ミサキちゃんだけいない
仕方ないことですけど、やっぱりちょっとさみしいなって思って

先生
......でも、僕たちには絆がある

蓮華
先生......？

先生
絆は世界を超える。みんなも体感したはずだ
だから、きっと大丈夫だ。きっと、強く願えば----
お互いの存在を、近くに感じることができる

みき
っ......！！

そのとき、先生たちを含め、みんなの身体がじんわりと光りだす。

詩穂
っ！これは......！

くるみ
似てます。あのときと......
最後の星衣で、みんなの声が聞こえたときと......

まばゆい光が辺りを包み込む。
再び目を開いたときには星守たち全員が、いつか見た花畑に立っていた。

心美
この場所は......

驚いて辺りを見回したそのとき----
真っ白な光の中に、ぼんやりとした誰かの影を見る。
----それは、誰かの姿に似ていて。

みき
もしかして......
もしかして、ミサキちゃん！？

呼びかけに反応するように、影はゆっくりと人の形を取っていく。
そして----

ミサキ
......みんな

懐かしい声色が、一面に広がる花を揺らす。

みき
ミサキちゃん......！！
また......また、会えたね

ミサキ
ああ。神樹のおかげだ

昴
......元気だった？

遥香
風邪はひいてないかしら

ミサキ
大丈夫だ。みんなも相変わらずで安心した
そっちの世界も、まだ安泰のようだな

みき
......うん。安泰だよ。ずっと
私たちみんなで守ったんだもん。この平和を守り通すよ

力強い言葉に、ミサキは柔らかく口角をあげる。

ミサキ
......ありがとう
みんなとの思い出が、私の力になっている。私は私の世界で、まだまだやらなければ
ならないことが、たくさんあるが----
きっと、乗り越えていけるだろう

みき
（......そっか）
（そっか。そうだよね）
（大丈夫だよね、だって、私たちは----）

みんな
「「いつだって、一緒だから！」」

そのとき、ミサキの身体がやんわりと光り出す。
そしてその端から、花びらを散らすようにその輪郭が削れ始めた。

みき
っ......！

ミサキ
もう、時間だな

みき
......会えてよかった
また、会えるよね！？

みきの問いかけに、ミサキは大輪の花のように笑った。

ミサキ
ああ、必ず

----眼を差すような光に閉じた瞼を再度開いたときには、元いた場所に立っていた。

光の中で聞こえた大切な人の声が、とびきりの笑顔が、それぞれの胸の中を満たして
いく。

ミシェル
これで、本当に......全員そろったね！

まばゆい笑顔が、闇夜に満ちる。
見上げた夜空には、あのときのように満天の星が満ちていて。

みき
またね-----
またね、ミサキちゃん！

叫んだ声はきっと、”彼女たち”が届けてくれるだろう。
そう願いながら、僕たちはまた、
いつもと同じ星座を見る。


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